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ライブハウスのリハーサル攻略法!パフォーマンスの質を上げるため、PAとの連携を高める裏ワザとは?
こんな人におすすめ
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ライブの質はどうしたら上がるか

バンドやシンガーソングライター、ラッパー等のアーティストにとって重要な活動の1つがライブ。ライブパフォーマンスのクオリティが高いアーティストは、楽曲のサブスク配信やSNSといったインターネット上の活動以外でも、新しいファンの心を掴む機会が多くなります。

では、ライブパフォーマンスのクオリティは何によって上がるのでしょうか?

もちろん楽曲の魅力やアーティスト自身の魅力を伝えるのに適切な演奏力は不可欠です。一聴して心が躍るような魅惑的な音色を生み出すための音づくりの技術や機材の知識も重要でしょう。ただしそれらはアーティストごとに正解が違って、アーティスト自身がそれぞれの理想を目指して究めていくものなので、今回の記事では言及しません。

一方、魅惑的な音色がつくれても、あるいは最高の演奏力を持っていたとしても、ライブが全然良くないということはしばしば起こります。その原因の1つとしてよくあるのが、PAとのコミュニケーション不足です。音源制作の際にミックスに立ち会っているようなアーティストであればわかりやすいかもしれませんが、スピーカーから発される音は、エンジニアの采配次第で印象が露骨に変わります。楽器数が少なくても迫力のあるパワフルな印象にすることは可能だし、逆に音数が多くてもバランス良くスッキリと聴かせることも、工夫次第では可能です。PAを含め現場スタッフとのコミュニケーションを疎かにすれば、最終的な出音はその日のPAの解釈や経験に沿ったオペレートになりますが、場合によっては全く意図していないものになる危険性が、実は十分にあります。

せっかく出演した初めてのライブハウスで、ファンになってくれるはずだった人に魅力が伝えきれなかった。そんな悲劇を避けるため今回は、コロナ禍でオープンし、ライブに限らず多様な音楽が日々鳴っているベニュー "LIVE HAUS(リヴハウス)" でサブPA兼制作を務めるコバチ氏にヒアリングを行いました。彼が考える「円滑なPAとのコミュニケーションの取り方」を教えてもらった内容を記事にまとめましたので、ライブの質を上げたいアーティストはぜひ読んでみてください。

リハーサル時間は思っているより短い

そもそも、ライブ前にPAとコミュニケーションを取れるタイミングはかなり少なく、ライブ当日までのやり取りはブッキング担当者やイベント主催者であることが多いです。ライブ当日のリハ前はPAも準備・仕込みで忙しく、挨拶と簡単な確認程度の場合が多いです。リハーサルの時間も平日のブッキングイベントであれば準備込みで30分程度。この30分で必要なコミュニケーションの全てを終えなければならないわけです。

コバチ氏曰く、「細かな配置が実際どうなっているかも曖昧な状態から始まっていれば、機材のセッティングで30分なんてあっという間に過ぎてしまって、世界観や背景にある文脈どころか、求める出音や音量バランスですら曖昧なままリハが終わるケースもあります。」とのこと。

ライブハウスのブッキングイベントに出演したことのある方ならすぐに想像できると思いますが、リハーサルの時間はすべてアーティストの音出しに使える時間なわけではありません。リハーサルの最初の時間では、まず演奏ができる状態にするため、機材の配置換えや配線の入れ替えから行われます。すなわち、音出しをしながらPAとコミュニケーションを取れる時間は、30分のリハ時間でも実質は多くて15〜20分程度ということです。お互いに初めましての状態から15分程度で必要な全てを語り、共通の世界観を描くことはほとんど不可能でしょう。

「その日に初めましてのアーティストについて、PAは全てを知っているわけではありません。理想とする状態がどういう状態かを想像しながらになるので、音出しをしてすぐに『外音は大丈夫ですか?』と聞かれても、よほど明らかな問題がない限りはちゃんと音が聞こえているという意味で『大丈夫です』と答えますし、場合によっては素直にこのタイミングだと判断できないですと伝えることもあります。」

鍵は、リハーサルまでにどれだけ情報を共有できるか

では、初めて出演するライブハウスで初めましてのPAさんでは、自分たちのつくりたい世界を見せることなどできないのでしょうか。この質問に対して、コバチ氏は「そんなことはありません」と言います。

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